住まいの情報

重要事項に関する補足説明 提供:社団法人 不動産流通経営協会

第2 建築基準法

2.建築基準法に基づく制限について

(7)建物の高さの制限

斜線制限(建基法第56条)

ア.道路斜線制限
道路斜線制限は、狭い道路に面して、高層建築物が建つことによる日照、採光、通風等の悪影響を防ぎ、また、ビルの谷間を造らないようにするため、前面道路の幅員との関係で、用途地域や容積率に応じて、建築物の各部分の高さを制限するものです。
イ.隣地斜線制限
隣地斜線制限は、隣地における建築物の日照、採光、通風等を確保するため、建築物の各部分の高さを、隣地境界線との関係で制限するものです。なお、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域内では、建築物の高さが、原則として、10mまたは12mまでに制限される絶対高さ制限があるため、隣地斜線制限は適用されません。
ウ.北側斜線制限
北側斜線制限は、低層および中高層の住居専用地域における良好な住居の環境を保護するため、第一種低層・第二種低層住居専用地域、第一種中高層・第二種中高層住居専用地域では、北側にある建築物の日照等を確保するため、建築物の各部分の高さを、北側の前面道路の反対側の道路境界線または隣地境界線からの真北方向の水平距離により制限するものです。


[斜線制限一覧表]


制限

(ア)
第一種
低層住居専用地域
第二種
低層住居専用地域

(イ)
第一種
中高層住居専用地域
第二種
中高層住居専用地域
〔注1〕

(ウ)
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
〔注1〕

(エ)
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域

(オ)
用途地域の
指定のない区域
〔注2〕

道路斜線

H≦1.25×A

H≦1.25×A
H≦1.5×A

H≦1.25×A
H≦1.5×A

H≦1.5×A

H≦1.25×A
または
H≦1.5×A

隣地斜線

――――――

H≦20m+1.25×B
H≦31m+2.5×B

H≦20m+1.25×B
H≦31m+2.5×B

H≦31m+2.5×B
適用なし

H≦20m+1.25×B
または
H≦31m+2.5×B

北側斜線

H≦5m+1.25×C
≦10mまたは12m

H≦10m+1.25×C

――――――

――――――

――――――

A:建築物の当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離
B:建築物の当該部分から隣地境界線までの水平距離
C:建築物の当該部分から真北方向の前面道路の反対側の境界線または隣地境界線までの水平距離
H:建築物の当該部分の高さの最高限度

〔注1〕

前面道路の幅員が12m以上である建築物について、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路幅員の1.25倍以上の区域内においては、道路斜線制限の勾配を1.5とします(建基法第56条第3項)。

〔注2〕

特定行政庁が土地利用の状況等を考慮して都道府県都市計画審議会の議を経て数値を定めます。




エ.道路斜線制限、隣地斜線制限の適用範囲

(ア)

道路斜線制限は、用途地域および容積率の限度に応じ、下表の接面道路の反対側の境界線から一定距離の範囲内(図1のL)にのみ適用されます。

建築物がある用途地域または区域

容積率の限度

適用範囲
(図1のL)

近隣商業地域、
商業地域以外の用途地域内の建築物

容積率≦200%

20m

200%<容積率≦300%

25m

300%<容積率≦400%

30m

400%<容積率

35m

近隣商業地域または商業地域内の建築物

容積率≦400%

20m

400%<容積率≦600%

25m

600%<容積率≦800%

30m

800%<容積率≦1000%

35m

1,000%<容積率≦1,100%

40m

1,100%<容積率≦1,200%

45m

1,200%<容積率

50m

用途地域の指定のない区域内の建築物

容積率≦200%

20m

200%<容積率≦300%

25m

300%<容積率

30m

(イ)

前面道路の境界線から後退した建築物については、前面道路の反対側の境界線がその後退距離に相当する距離(図2のS)だけ外側にあるものとして、道路斜線制限を受けます。




(ウ)

高さ31m(第1種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域・第二種住居地域、準住居地域は20m)を超える部分が隣地境界線より後退している建築物は、隣地境界線からの後退距離(下図のS)に相当する距離だけ外側の線に隣地境界線があるものとして、隣地斜線制限の適用を受けます。
なお、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内のものについては、斜線制限一覧表内の隣地斜線を参照してください。




(エ)

斜線制限の適用除外
平成14年の建基法の改正により、斜線制限の適用除外制度が導入され、斜線制限により確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、各斜線制限を適用しないことになりました(建基法第56条第7項)。
この制度は、政令で定める位置において天空率(敷地の道路の反対側の位置から見た空の広がり)〔注〕を調べ、建築物が敷地周囲に及ぼす天空率への影響を、一般的な斜線制限による天空率への影響と比較し、天空率が低下しない範囲内であれば、一般的な斜線制限を適用しないことを基準として定めたものです。なお、天空率の適用については、建築計画概要書の記載事項となっており、適用の有無についてはそれを参考にしてください。




2.絶対高さ制限

低層住宅の住居環境を保護する第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは10mまたは12mに制限されています。
10mまたは12mのうちいずれを建築物の高さの限度にするかは、当該地域に関する都市計画で定められます(建基法第55条第1項)。
都市計画で10mと定められた地域でも、敷地内に一定規模以上の空地があり、かつ敷地面積が一定規模以上の建築物で、低層住居環境を害するおそれがないと特定行政庁が認めた場合は、建築物の高さは12mが限度になります(建基法第55条第2項)。また、敷地の周囲に広い公園、広場、道路等があり、低層住宅の住居環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可したもの、学校等の建築物でその用途からやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したものは、10mまたは12mの高さ制限は適用されません(建基法第55条第3項)。
なお、高度地区の指定を受け、この高度地区の制限の方が厳しいときは、厳しい方の高度地区による制限が適用されます(高度地区による制限の項参照)。


3.日影による中高層の建築物の制限(日影規制)

日影規制は、建築物が周囲の敷地に日影を生じさせる場合、一定の時間以内に制限することによって、周囲の敷地の日照を直接的に確保しようとする規定で、住居系の用途地域のほか、近隣商業地域、準工業地域および用途地域の指定のない区域で、地方公共団体の条例で指定する日影規制対象区域にのみ適用されます(建基法第56条の2第1項)。
なお、日影規制対象区域外にある建築物であっても、高さが10mを超え、かつ、日影規制の対象区域内に一定時間日影を生じさせる場合は、当該建築物は適用対象区域内にある建築物とみなされ、この規制の対象となります(建基法第56条の2第4項)。


[日影規制一覧表]

地域または区域

制限を受ける
建築物

平均地盤面からの高さ

種別

敷地境界線からの水平距離が5mを超え10m以内の範囲における日影時間(A)

敷地境界線からの水平距離が10mを超える範囲における日影時間(B)

1

第一種
低層住居専用地域
第二種
低層住居専用地域

軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物

1.5m

(一)

3時間
(北海道2時間)

2時間
(北海道1.5時間)

(二)

4時間
(北海道3時間)

2.5時間
(北海道2時間)

(三)

5時間
(北海道4時間)

3時間
(北海道2.5時間)

2

第一種
中高層住居専用地域
第二種
中高層住居専用地域

高さが10mを
超える建築物

4m
または
6.5m

(一)

3時間
(北海道2時間)

2時間
(北海道1.5時間)

(二)

4時間
(北海道3時間)

2.5時間
(北海道2時間)

(三)

5時間
(北海道4時間)

3時間
(北海道2.5時間)

3

第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
準工業地域

高さが10mを
越える建築物

4m
または
6.5m

(一)

4時間
(北海道3時間)

2.5時間
(北海道2時間)

(二)

5時間
(北海道4時間)

3時間
(北海道2.5時間)

4

用途地域の
指定のない区域

軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物

1.5m

(一)

3時間
(北海道2時間)

2時間
(北海道1.5時間)

(二)

4時間
(北海道3時間)

2.5時間
(北海道2時間)

(三)

5時間
(北海道4時間)

3時間
(北海道2.5時間)

高さが10mを
越える建築物

4m

(一)

3時間
(北海道2時間)

2時間
(北海道1.5時間)

(二)

4時間
(北海道3時間)

2.5時間
(北海道2時間)

(三)

5時間
(北海道4時間)

3時間
(北海道2.5時間)

日影規制一覧表に記載の「地域または区域」の全部または一部で、地方公共団体の条例で指定する区域内にある「制限を受ける建築物」については、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間(北海道の区域内は午前9時から午後3時まで)において、敷地境界線から水平距離5mを超える範囲においては、定められた高さの水平面に日影を生じさせる時間が日影規制一覧表に記載の日影時間未満となるよう、建物の高さや位置が制限されます。

〔注1〕

日影規制一覧表において、平均地盤面からの高さとは、当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいいます。

〔注2〕

日影規制の対象区域および制限の内容(日影時間のうちどの規制によるか)は各地方公共団体の条例によります。

〔注3〕

冬至日の真太陽時とは、冬至日の真太陽(現実の太陽)の時角にもとづいた時刻のことで、標準時とは異なります。


ア.第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、用途地域の指定のない区域〔注〕の場合




例えば、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域で、種別(一)の日影規制値が指定されている場合、軒の高さが7mを超える、または地階を除く階数が3以上の建築物は、当該建築物の平均地盤面から1.5mの高さの水平面において、冬至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間に規制される部分(A)では3時間以上、(B)の部分では2時間以上、当該建築物による日影を生じさせてはなりません(北海道を除く)。


イ.第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、用途地域の指定のない区域〔注〕の場合




例えば、第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域で、種別(三)の日影規制値が指定されている場合、高さが10mを超える建築物は、当該建築物の平均地盤面から4mまたは6.5mの高さの水平面において、冬至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間に規制される部分(A)では5時間以上、(B)の部分では3時間以上、当該建築物による日影を生じさせてはなりません(北海道を除く)。

〔注〕

用途地域の指定のない区域においては、日影時間の測定を行う平均地盤面からの高さは1.5mか4mのいずれかを地方公共団体が条例で定めます。

前へ 補足説明のリストにもどる 次へ
このページの先頭へ
住まいの情報トップにもどる